経営について 其の六
独立した頃、他の経営者の方からよく言われた言葉がある。
『いいね、奥さんが経理してくれて。苦しい時も一緒に頑張ってくれるし、任せられるし・・・』
確かに、お金の管理は任せられるし、苦しい時は役員報酬も切り詰められる。
※その代わり、常に「領収書」という何に使ったか?という証拠を提出しなければいけない息苦しさは伴うが・・。
僕の父母も、共に鉄工所経営で二人で油まみれになって仕事をしているのを子供の時から見てるので全く違和感はない。
初めて東京の師匠と食事をしたときに、言われた言葉がある。
『僕は、夫婦が役員として経営することは悪い事だとは思わないんだけど、けっして好ましい事だとも思わない』
少し衝撃だった。
過去、僕の周りの経営者は、「領収書」の件以外は、みんな肯定的だったので・・・。
この時は、その理由を聞いたけど、よく理解できなかった。
その後、何年もお付き合いをさせてもらってるうちに、理解が出来た。
ということで「其の六」 家業から企業へ
独立して不動産業をスタートさせるときは、とりあえず「目先の儲け」しか見てない事が多い。
私も、その口だ。
しかし、何年もビジョンを持たずに目先の売上げだけを追い続けることは難しい。
それは、「社員」という人財と共に成長をしなければいけないから。
「夫婦」が役員である、ということは、どうしてもその「夫婦」を中心とした会社になり、「企業を発展させる!」という組織になりにくいからだ、ということが師は伝えたかったのだ。
いつまでたっても「家業」の会社で良しとする会社に魅力はあるか?
それで良い、という社長の元でスタッフは走り続けられるか?
そんな会社に、一生を捧げたいと思うか?
夢を与えることが出来るか?
家業で終わるのではなく、「企業」として成長させなさい!ということを伝えてくれている。
「優しくて冷たい会社」というのは、厳しいことは要求せず、いつも許してくれる。でも、その甘えで結果、ビジネスマンとして成長出来ずに
そのメンバーが、会社に貢献できずに退職する事になった。それって、冷たくないか?
「温かくて厳しい会社」というのは、厳しい要求度の高い指導を行い、結果、嫌われる事になっても、温かい心で指導を続ける。
それが、本人の成長・会社の成長に繋がり、経済的にも心の中でも豊かな生活を送ることが出来る。そんな会社が良い会社だ。
今、当社では長年、勤めてくれているスタッフが増えてきた。
けっして「立派な社長」とは言えない僕を支えてくれている。
なんとか 運と人との縁 だけでやってきた僕だが、もう少しチャレンジしてみたいことがある。
今の当社の発展の為には、必要不可欠な事業だと考えている。
「成長を続け永続する企業」を目指します!
2019/04/08