BWリノベ
当社の新規事業のHPが、ほぼ出来上がった。
タイトルは「BWリノベ」。
今年の初めに買取った中古マンションをどうリノベーションするか?
不動産会社が中古マンションを買い取って、工事屋さんと簡単な打ち合わせだけでリフォームして販売する。
そんなケースは少なくはない。リノベーションを謳ってても、中途半端な素人の域をでないリノベーション物件もある。
でも、私はそんな「なんちゃってリノベ」を完成させて、ただ利益を追求することはしたくなかったし、事業としてスタートさせるのは少し違う気がしていた。
当社は10数年前、システムキッチン、システムバスをはじめ、外壁塗装のサンプルを店内に演出した展示場を構えリフォーム事業で年間○億を超える受注をしてたことがある。全て材工別の分離発注で。
不動産事業部の不振を立て直す為、撤退をしたが、一般の不動産会社よりは数段スキルと経験はある。
それでも・・・・
そんなことを考えながら、いろんな建築家さんたちのHPを眺める。
たいていは自分が手掛けた作品が並んでる。
当然、その人の作風が滲み出ているが、それでけではなく<その人の考え方>もなんとなく掴める気がする。
気になる建築デザイナーがいた。
なんとしても会ってみたいと思った。
住宅リノベーションだけでなく新築住宅も店舗のデザインも手掛けてる。
作品も、なんだか温かみがある作品の中にエッジの効いた斬新な発想を取り入れられている。
コメントが楽しくリズム感があり、そして詩人のような作家のような・・・。
デザイナーという職業でメシを食ってる人というのは、優れた表現者なんだ!
そんなことを感じて、思わす、メールを打った。
なんとか、会ってもらえるアポイントをとり神戸のアトリエを訪れた。
いろんな会話をさせて頂く中で印象に残る言葉があった。
「リノベーションはクラシックじゃない。ジャズなんです」
なんとしても彼に設計、管理をしていただきたい!と感じた瞬間だ。
※山下氏 彼のHPの「OBR」にも紹介してもらってます。
床材が貼られた時、無垢の板を使った挽板フローリングの味わい深さに思わず魅了された。
そして、無垢の家具を置いてみたい! そんな衝動にかられて今度は家具屋さんを探した。
京都まで車を走らせたりもしたが、ピンとこない。
工事も完成に近づいた頃、神戸の北区でご夫婦 とめぐりあった。
家具への忠誠心というか「本物しか売らない」。平気で圧着した一枚板を売ってる業者もいる。素人では判らないレベルで。
でも、必ず割れる。もちろん、どんなものでも可能性がゼロではないが、誤魔化してまで売りたくないし、そんな仕事はやる意味がないと。
そんな職人気質でありあがら家具への愛情が滲み出ているご夫婦。
また出会えた。仕事感を共感出来る方達と。
背面からの姿が美しいソファーを提案頂き、納入いただいたのだが、販売物件にこれ以上のコストをかけたくない。
そんな私の図々しい相談に快く、無垢一枚板のダイニングテーブルと椅子のセット、座卓、TVボードを販売物件に展示頂いた。
どれもこれも本物の高級家具にも関わらず・・・。
不動産業者は、不動産業者としての価値観だけで物事を考えていては限界がある。
設計デザインを生業としている人、家具を作ったり販売することを生業にしている人、それぞれ「その道のプロ」だ。
だって、それでメシ食ってるんだもん。
プライドとポリシーはもちろん、技術とスキル、センスが卓越してるから続けれてるんだもん。
僕はそんな人たちと物件を作りたかった。
業界の壁を壊したかった。
そんな壁なんていらない。
なにも社内の仲間たちだけで造るんじゃなくてもいいじゃないか。
目的が共有できるなら・・・。
そして素晴らしいリノベーション物件が完成した。
ホームページのタイトルが決まった
Break tha wall 壁を壊す
「BWリノベ」
2017/10/08